欧州サッカー」カテゴリーアーカイブ

ユベントスFC-受継がれる10番-

ユベントスFCという名の物語

現在セリエA、7連覇中のユベントスFCは、セリエAで最も成功したクラブの1つであり、獲得スクテッド回数もセリエAで最多、世界でも指折りのトップクラブである事に間違いはありません。しかし、そんなユベントスFCにも降格や低迷期という時代がありました。

2006年の審判買収疑惑に端を発する『カルチョスキャンダル』によって、ユベントスFCは2部降格に陥りました。2部降格に伴い、多くの主力選手を放出せざる得ませんでしたが、10番を含め、一部の主力選手が残留、1年でのセリエA復帰を果たしました。

セリエA復帰を果たしたユベントスFCでしたが、復帰後のセリエAでタイトルから遠ざかる低迷期を迎えます。低迷期からの脱却は2011~2012シーズン、アントニオ・コンテ監督の下、クラブ占有の新スタジアムを携え、スクテッドを勝ち取りました。この優勝を境に、降格の苦境期も共に乗り越えてきたバンディエラは欧州から引退、クラブから去りましたが、その後10番を受継ぐ、欧州屈指の実力者や才気煥発な若い力によって、セリエ7連覇という絶対的王者の地位を確立しています。

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セビージャFC-受継がれる10番-

セビージャFCという名の物語

1999年代後半、財政的に苦境期にあったセビージャFCは、1部2部を往来する低迷期にありました。この中堅クラブの域を出ない存在を大きく変革したのは、2000年にスポーツディレクター(以後SDと表記)に就任したラモン・ロドリゲス・ベルデホ=通称モンチSDでした。モンチSDは財政的苦境を転換させるべく、「安く買い高く売る」・「下部組織の強化」という2本の矢をクラブのビジネスモデルに取り込みました。その結果、クラブは財政再建を果たしました。強豪チームへと変貌したセビージャFCが最も脚光を浴びたのは、2013~2016にかけてのEL3連覇という偉業でしょう。2013年に就任したウナイ・エメリ監督に率いられたセビージャFCは予選3回戦から勝ち上がりEL優勝を果たしました。セビージャFCの本領が発揮されたのは、ここからでした。2013~2014のEL優勝、2014~2015のEL優勝、一度優勝を経るごとにチームの中心選手達がビッグクラブに移籍していきました。しかし、それでも2015~2016にセビージャFCはEL3連覇を成し遂げたのです。これは選手売却と選手補強に長けたモンチSD、新たな戦力に対応した戦術構築に長けたエメリ監督、この2人によってもたらされた、クラブ変革の集大成と言える結果でした。

3連覇を果たしたエメリ監督は勇退、2017年にはモンチSDも退任しました。セビージャFCにとって、また新たな挑戦が始まっています。

今回はリーガ・エスパニョーラの強豪、セビージャFCの10番に注目します!!!

 

2015年~2016年のNUMBER10

『セビージャの神童』という愛称を持つ、ホセ・アントニオ・レジェスは2度セビージャのユニフォームに袖を通しています。レジェスが10番を背負ったのはセビージャに帰還していた、2015~2016シーズンでした。

レジェスは、10歳でセビージャの下部組織に入団、16歳にしてトップチームデビューを果たしました。2001~2002シーズンには開幕からスタメンの座を掴むなど、持ち前の快速を活かしたドリブルを武器にセビージャのトップチームで4シーズンを過ごしました。これがレジェスの最初のセビージャ時代であり、合計86試合に出場22得点を記録、レジェスはその後アーセナルへ移籍します。

セビージャへの帰還は2012年1月、欧州のクラブを渡り歩いた実績と経験から、チームの精神的支柱としての役割を果たし、109試合に出場しました。特に、ウナイ・エメリ監督の下、セビージャが成し遂げたEL3連覇という偉業に大きく貢献しました。

しかし、2015~2016シーズンには虫垂炎の手術などで戦列を離れる機会が多く、最終的に新天地へと移籍を決断しました。

 

セビージャFC TIP

スペイン、ラ・リーガには、アトレティコとレアルが対峙するマドリードダービ、レアルとバルセロナが対峙するエルクラシコが存在します。しかし、これらの戦い以上に熱い1戦とされるのが、『セビリアダービー』です。

セビリアダービーはセビージャFCと同地区のレアル・ベティスによるダービーマッチです。セビージャ市を2分する両者ですが、実は、レアル・ベティスの大元はセビージャFCなのです。

というのも、レアル・ベティスが設立されたのは1914年であり、その設立理由は、当時のセビージャFC首脳陣が引き起こした内部対立によるものでした。ファンによる衝突事件や試合の中断など、ダービーマッチでは何かしら起こるほどに熱い戦いですが、大元は1つ・・・

セビージャ市、市民に根付く、フットボールへの熱量の凄さが感じられます。

 

2016年~2017年のNUMBER10

マルセイユ、アーセナル、そしてマンチェスター・シティでの活躍を経て、2016年8月31日、移籍市場最終日にセビージャへのレンタル移籍が決まりました。レンタル移籍ながら10番を背負う所に、サミル・ナスリという選手が『違い』を生み出せる選手である事を間接的に証明しているでしょう。

しかし、2016年12月、サミル・ナスリにドーピング疑惑が浮上、欧州サッカー連盟、スポーツ仲裁裁判所を巻き込む事態となりました。この事態の中、2016~2017シーズン終了後、セビージャが完全移籍に必要な金額、ナスリ本人への高額年俸の双方を負担出来ないと判断した結果、ナスリは1年でマンチェスター・シティへと復帰しました。

 

現在のNUMBER10

現在、セビージャで10番を背負うのは、ホセ・アントニオ・レジェスと同じく、セビージャに帰還したエベル・バネガです。セビージャへの最初の移籍は、2014年、バレンシアで共闘した恩師、ウナイ・エメリ監督と再度タッグを組みました。2014~2016の在籍で、2度のELタイトル獲得に貢献、59試合で8得点の記録を残しました。

翌2016~2017シーズンはインテルへ3年契約での移籍を決断します。セリエAでキャリア初のハットトリックを記録しますが、インテルで主力ポジションを確保するまでには至りませんでした。その結果、2017~2018シーズン、セビージャへの帰還が発表されました。

中盤をどこでもこなせる万能的なスタイル、長短問わないパス精度の高さでセビージャ攻撃陣をビルドアップ、スルーパスで牽引しています。

 

セビージャFC:まとめ

ウナイ・エメリ監督の下、EL3連覇を果たした後、セビージャは新しいステージに入っています。2017~2018シーズンは指揮官の解任もありました。もう一度、競争力の高い集団へと組織を再構築していく事が不可欠な状況でしょう。

その中で、セビージャの10番に求められる役割とは、技術的な違いを生み出せる事のみならず、チームの中心、精神的支柱としての役割も求められるでしょう。かつて、ホセ・アントニオ・レジェスが精神的支柱として存在したように、現在10番を背負うバネガにも同様の役割が期待されていくでしょう。

セビージャFCで受継がれる10番に敬意を〆

ヨーロッパ選手探訪録-第2号-

欧州でプレーする選手達を個人的視点で取り上げ、紹介するカテゴリー『一期一会』、選手への応援・期待コメント、お待ちしています。

今日の『一期一会』は、ラ・リーガで、時には司令塔、時には献身的プレーでチームを盛り立てる超サイヤ人です!!!

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FCポルト-受継がれる10番-

FCポルトという名の物語

FCポルトはポルトガルリーグに於いて唯一無二の輝きを放つクラブです。その理由は2つあります。第1にクラブが獲得してきたタイトル、そして、第2に素晴しい選手育成力です。

プリメイラ・リーガ=国内1部リーグに所属し続け、1994~1995に掛けてはリーグ5連覇、更には2010~2011、シーズン無敗優勝を記録しています。また、その実力は欧州レベルの大会でも発揮されています。EL優勝2回、CL優勝2回、更にはクラブ世界一の称号も獲得しています。

この様に、欧州トップクラスの実績を有しながら、FCポルトが選手育成を怠る事はありませんでした。FCポルトによって発掘された、当時は未だ無名の若きタレントの多くが、FCポルトの育成環境で才能を開花させ、ビッグクラブへと羽ばたいて行きました。

今回は、ポルトガルで異彩を放つFCポルト、期待の新生達が集うクラブで近年10番を背負ってきた選手達に注目します!!!

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