日本VSスイス総括

オーストリアで合宿を行う日本代表は、

FIFAランク6位、スイス代表との強化試合を行いました。(@スイス・ルガーノ)

日本VSスイスの1戦を総括します。(写真はルガーノより)

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試合結果

スイスが前半に獲得したPKを含む2得点を挙げ、

『日本0-2スイス』で試合終了スイス代表の勝利となりました。

日本はこの試合も得点を挙げる事が出来ず、無失点のまま90分間を終えました。

リカルド・ロドリゲス(ACミラン)

先制のPKを確実に仕留めたロドリゲス

 

スイスから見た内容

親善試合の意図

今回の日本戦がW杯前の最終戦であり、次は本大会でブラジル代表を迎えるスイスにとって、この日本戦に求めていたテーマが明確に感じられました。

『リスクを犯さず確実に勝つ』といった所でしょうか、

スイスは攻守に於いて90分間、無理をすることはありませんでした。チーム全体として勝利を掴むための確実性とは何か・・・積み上げてきた物を最終確認した1戦だったと思います。

 

徹底、だがムリはしない

この1戦もスイスのストロングポイントであるサイドからの崩しが目立ちました。前半こそ中央にロングパスを入れてくるシーンも見られましたが、90分通して、攻撃の起点作りは必ずサイドを徹底して使っていました。

日本も4バックで試合に臨んだ結果、スイスにサイドを自由にさせる時間帯は多くありませんでした。そして、日本の守備的対応に対し、決してスイスも無理に仕掛けると言う事はほとんどありませんでした。

ここに、スイスの『確実性』が見てとれると思います。シャキリ、リヒトシュタイナー、リカルド・ロドリゲスもサイドで起点を作りクロスを供給していますが、エリア内へのドリブルなどボールロストに繋がる無理を犯すことはありませんでした。

 

日本戦は『仮想ブラジル』だった

日本とブラジルの実力差は大きく異なりますが、スイスが日本戦に見ていたものはW杯初戦のブラジル戦であったと思います。恐らくボール支配率を高めてくるだろうブラジルに対して、『激しくプレッシャーを掛ける時間帯』・『確実に守る時間帯』・『カウンターで一気に人数を掛け勝負を決める』、この3要素を徹底的に行う事で初戦のブラジルを迎える方針なのでしょう。

その意味で、日本戦もまさしく『無駄なリスクを犯さず』に実践していたと言えるでしょう。スイスは自身の戦い方を、もう一度浸透させる為、日本を仮想ブラジルに見立てていたように思えます。

 

中盤が懸念材料か・・

まず、ジャカの抱える膝の負傷が懸念材料の1つでしょう。日本戦こそフル出場しましたが、クラブで見せる強度、パスコントロールといった部分でコンディション不良を見ました。

また、最終ラインから中盤にかけてのビルドアップに於いて、パスミスから日本に攻め込まれるシーンが数度見られた事も本大会に向けての調整材料でしょう。自陣での不用意なボールロストをネイマール、コウチーニョなど精度の高いミドルシュートを持つブラジルは決して逃さないでしょう。

グラニト・ジャカ(アーセナル)

 

日本から見た内容

3バック使用は今後ないだろう

ガーナ戦(試合レビューはコチラ)では3バックシステムを試した西野監督、その後の会見でも『対戦相手に合せた布陣を敷いて行く』という旨を示していました。

しかし、スイス戦では4バックを選択、90分間を4バックで戦いました。3バックでは、相手のサイド攻撃に対する守備連携を深める必要があります。その点で、このスイスは格好の対戦相手でした(スイスのチーム特徴)。

そのスイスに対して、90分間フルに4バックを使用したという事は、『今後の3バック使用はない』という暗黙の表明でしょう。スイス相手に3バックの強度を再確認せず、本大会で3バックを使える程、グループHに同居する他チームの破壊力は甘くありません。

 

ガーナ戦よりも内容は悪い

対戦相手が同じでは無いので単純比較できません。ですが、『従来の形』に帰着したフォーメーションで、90分間戦った事を踏まえれば、ガーナ戦よりも内容は悪かったと言えるでしょう。

FIFAランク6位の相手に『ミドルシュートもあった』、『中盤での支配もある程度はあった』、楽観的に見るのは危険です。この試合、90分間を通して、スイス守備陣を慌てさせたシーンが何度あったでしょうか?私が見た限り0だと思います。90分間、スイスの描くプラン通りの戦いを日本もするように操られていたと見て間違いないでしょう。試合中、数度、スイスのミスから決定機を迎えそうな局面もありました。しかし、最終的に力のないミドルシュートを選択、スイスに難なく守り切られています。

 

守備面で大きな課題

『4試合で3点』、この数字は何を表しているでしょうか・・・

日本が行った直近の『4試合』で『PKによる失点数』が『3』という事です。スイス戦も先制点献上はPKによるものでした。

得点力が欠乏する日本にとって、格上にPKで失点する事ほど不用意なものはありません。最低限、エリア外でFKまでに収めることを徹底する以外にないでしょう。守備を行う上で、PKを獲られるケースがあるのは判りますが、『4試合で3点』は、ほぼ『1試合に1つ』です。特に、相手のリスタート時に守備の強度が低くなる傾向があり、そこを突かれてのPK付与が見受けられます。改善が必要です。

もう1つ、守備で大きな課題がスイス戦で浮き彫りになったと思います。『CBとGKの連携』ないしは『中央の守備』でしょう。前半、スイスの決定機の1つにCBとGKの連携が機能していない場面がありました。ガーナ戦でもPKを付与した場面はCBとGKの連係ミスからでした。

厄介な事に、スイス代表がサイドからの起点を徹底した事で、日本の中央の守備強度というものが隠れた90分間になりました。本大会のポーランド、コロンビアといった破壊力ある攻撃陣を揃えるチームはサイド、中央を問わず、仕掛け崩しに来るでしょう。その時、中央ラインの守備の脆弱性を露呈しては守備陣の瓦解も想像に容易いでしょう。

 

攻撃しているが共有がない

スイス戦、日本は9本のシュートを放ち、枠内は5本、枠内本数に至ってはスイスを上回っています。

ですが、無得点で終了し、更にいえば、相手ゴールを脅かすシーンも0でした。この試合多く目立ったのが、エリア外からのミドルシュートでしょう。前半には長谷部、大島が積極的にミドルを放ち枠内に飛ばしています。

日本の攻撃面で目立ったのが、中盤高い位置でのインターセプトを速攻に繋げられないシーンでしょう。ボールの出し手を探し、人数を待つ間に、スイス守備がエリア内に人数を揃え決定機を迎えられずに跳ね返されるシーンが目立ちました。ボールの出し手と受け手、サイドからの崩し、個人技からの連動性、攻撃の型の共有が不足している事が表れていました。

スイスは枠内シュートこそ2本(うち1本PK)ですが、2得点目のカウンターは、ここぞで相手エリアに掛ける人数、サイドからの崩し方、クロスの折返し、折返しを落とす選手、ゴールを決める選手、全ての流れが共有されていました。攻撃に於いても、日本とスイスの差は大きいものがありました。

 

次戦に向けて

本大会前最後の1戦はパラグアイ戦になります。選手の談話からも『結果が欲しい』という内容が聞かれますが、この際、『結果よりも内容です』。『結果』は本大会の3戦だけでいいと思います。監督交代、連携面での不足が感じられる以上、親善試合での『結果』に拘っても仕方がないでしょう。残り期間で、攻守両面の連動性をより高めることが必要でしょう。

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